冷凍よもぎ No.10

Frozen mugwort No.10

よもぎの爽やかな風味が漂う冷凍よもぎです。食感を残しながら粉末化された葉は、お菓子にも料理にも香りと彩りを添えます。
日本ではなじみ深い食材でありながら、このよもぎ製品が生まれるまでには国をまたいだ大きなプロジェクトを成し遂げる必要がありました。

日本人の想い出を宿す食材

しそや山椒のように、よもぎは日本の食文化にかかせない素朴なハーブです。戦後の混乱期、人々は川べりや道端に自生したよもぎを摘んで天ぷらやお団子に使い、生活にささやかな彩りを添えました。しかし日本が経済大国へと成長するなかで暮らしと食のあり方は大きく変化し、自生のよもぎは安全の担保が難しくなります。
日本人の記憶を宿す食材を守るため、上野忠は「よもぎ栽培」の事業化に乗りだしました。

国産を超える「質」を求めた中国進出

スタートは1970年代。先々代社長の時代には、主に新潟で自生のよもぎを昔ながらの方法で採集・加工・販売していましたが、品質が安定せず価格も高くなってしまいます。そこでまず韓国へ。安価な人件費のもとで採集・加工生産をはじめました。「日本の食を海の向こうで受け継ぐ」というチャレンジは、88年のソウル五輪を機に壁に当たります。韓国が一気に経済成長し、人件費も高騰。日本と同じ状況になったのです。
そこで考えたのが、中国進出でした。当時は「安かろう・悪かろう」だと思われていた中国生産ですが、本来は人件費が安ければ手間ひまがかけられるはず。より新鮮に、より丁寧に。最高品質のよもぎ製品を作るための「質を求めた中国進出」をコンセプトに掲げました。
まずは、最高の栽培地探しから。上野忠にとって中国はあまりにも経験が少ない国でした。中国の地図をひろげて「蓬(よもぎ)」の字がついている地名に向かい、「本当によもぎが自生しているぞ!」と喜んだことも。
徐々に契約農家を拡大した後も、中国の従業員のモチベーションを上げるために給与の算出方法を調整したり、中国当局から栽培地が干渉されないよう日本政府(JICA-国際協力機構)関与の土地として運用したり、よもぎの香りを高めるために栽培方法を改良したり、そのさなか、水害で加工工場が水没したり……。さまざまな紆余曲折を経て、現在は広大なよもぎ産地が広がっています。かつて日本人にとってもっとも身近な食材だったよもぎは、遠く離れた中国で、最高の品質で育つようになりました。
だからこそ開発できたのが、「冷凍よもぎのパウダー」特に「冷凍よもぎ No.10」。葉から汚れや虫を丁寧に取り除き、まるで摘みとったばかりのような大きな葉がふんだんにミックスされた製品です。

なつかしく新しい”和ハーブの女王”の広まり

草もちに、チョコレートに。パン、スイーツ、ドリンクにも。上野忠のよもぎは、冷凍・乾燥・パウダー・レトルトとさまざまに調整した製品ラインナップで用途が広がりつづけています。
近年、ビタミンKなどのすぐれた栄養価が評価され”和ハーブの女王”とも呼ばれるようになりました。シニア世代にはなつかしく、若い世代には新鮮にうつる、芳香豊かな深い緑色。そこには日本食の伝統と、将来の可能性が秘められているのです。

用途

チョコレート

よもぎの爽やかさがチョコレートに溶け込む、贅沢なひとときを。

焼き菓子

和の彩りと香りを楽しむ、よもぎ香る焼き菓子はいかがでしょうか。

ベーカリー

伝統と風味が息づく、よもぎ香るベーカリーをあなたにも。

ドリンク

よもぎの深い香りと味わいが楽しめる一杯がおすすめです。

ベーカリー用よもぎの動画

活用事例

よもぎパン

Yomogi Bread

より美味しく、より綺麗で、より使い勝手の良いベーカリー用のよもぎ製品を追求しました。

草餅

Kusamochi

新鮮なよもぎを使用し、爽やかな香りと鮮やかな緑色が際立つ贅沢なよもぎ饅頭です。